臭汗症bromidrosis, osmidrosis

 

 A.腋臭症osmidrosis axillae,わきが

 

 思春期アポクリン腺の発達とともに腋窩に生ずる一種の臭気.アポクリン汗中の脂肪酸,あるいはこれが皮表細菌で分解され低級脂肪酸となり臭気源になる.しばしば軟耳垢を伴い,人種差,遺伝性もある.治療は局所の清潔,5~10%フォルマリン・アルコール,20%塩化アルミニウム液,2%タンニン酸アルコール,デオドラント剤,抗生物質軟膏塗布,電気分解,手術療法など.

 

 B.摂取物質によるもの:ニンニク・香辛料・薬剤など.

 

 C.外陰部・足底にも臭汗症を生ずることがある.

 

  1. 色汗症chromidrosis

 

  紅色汗[色素産生菌],緑色汗〔銅・緑膿菌・インドキシール〕,黄色汗〔色素産生菌〕,黒色汗〔汗中不明物質が皮表で酸化〕,青色汗[銅]など.

 

  1. 血汗症haematidrosis

 

  汗中に血液を混するものでまれ.血管が脆弱なため汗に血液が混ずるもので,血友病,代償性月経〔手掌血汗〕,マラリア,ヒステリーなどでもみられる.

 

  1. 尿汗症uridrosis

 

  尿素量の多いもので,痛風・リウマチ・尿毒症でみられ,尿臭あり.汗は乾くと小顆粒~薄片結晶となる.

 

  1. 多汗症hyperidrosis

 

 A.全身性多汗症hyperidrosis universalis

 

 高温環境・重労働・肥満の他,有熱性疾患・バセドウ病・RA・糖尿病・妊娠・閉経・体温調節中枢刺激〔脳振盪・パーキンソン病・交感神紅系障害など〕・カルチノイド症候群・痛風・副腎褐色細胞胚・結核・悪性腫蕩・薬剤[アスピリンピロカルピン・フイゾスチグミン]による.盗汗[ねあせ]もこの一種.