ダイエットで生活習慣病は防げるか

 

 ではダイエットをすることによる、心筋梗塞脳梗塞、糖尿病、血管の動脈硬化性閉塞など、生活習慣病の予防効果はどうでしょう。たしかに肥満は動脈硬化、血管閉塞、糖尿病などの危険因子です。したがって、あまり食べないようにして痩せれば、生活習慣病を防げそうです。

 

 ところが、肥満と死亡率の関係を見ると興味深いことが分かります。国立がんセンターの津金昌一郎氏による研究で、四〇~五○歳代の男性二万六五八人を一〇年間追跡した結果です。

 

 「はじめに」で述べたように、現在、肥満の度合いは体格指数(BMI)で表します。BMIは体重(㎏)を身長(m)で二回割った値です。日本では一八・六~二四・九までが標準、一八・五以下は痩せ、二五以卜を肥満としています。

 

 さて津金氏の研究によると、日本では男性の場合、二六・九までの死亡率がもっとも低くなり、厚生労働省が勧めている二二では少し高くなっています。さらに注意すべきは、

『脳の栄養失調』:高田明和著より