快眠、快便、運動が免疫を上げるコツ

 

 がんを免疫の力で抑見込むためには、食事療法が一番、効果があります。しかし、これまで世界で行われたさまざまな研究から、食事以外にもがん抑制に効果のある方法が報告されています。がんは生活習慣病ですから、食事療法をより効果的に行うために、こうした知識も日常の生活に生かすといいでしょう。

 

☆快眠

 

 よく眠り、睡眠時間を十分にとることは、免疫を向上させる基本的な条件です。新潟大学安保徹教授は、快眠が免疫力を向上させると報告されています。

 

 免疫の働きは、自律神紅とも深く係わっています。自律神紅には「交感神紅」と「副交感神経」があり、日中起きている間はおもに交感神経優位、夜寝ている間は副交感神経が優位に働きます。交感神経は、「アドレナリン」という神紅伝達物質を介して、心臓の拍動を速めたり、血管を収縮させ呼吸数を増やすように作用します。つまり、餌を探したり敵から身を守ることができるように、体を一糖の緊張状態におくのです。

 

 一方、副交感神紅は「アセチルコリン」という神紅伝達物質を介して、体をリラックスさせます。心臓の拍動は遅くなり、呼吸数も低下し、消化器の働きが促進されます。つまり、エネルギーを蓄積する方向に働きます。

 

 最近、これら自律神紅が「免疫」にも影響することがわかってきました。白血球はいわば免疫の主役ですが、おもに「リンパ球」と「顆粒球」とに分けられます。顆粒球は細菌などを処理し、リンパ球はもっと小さなウイルスやがん細胞の処理にあたっています。先ほど、リンパ球の数が十分でないと食事療法の効果もあがらないとお話ししましたね。

 

 交感神紅は顆粒球を増やし、副交感神経はリンパ球を増やします。つまり、日中起きている間に、ストレスや緊張などが重なると、交感神紅の緊張が高まってどんどん顆粒球が作られるわけです。顆粒球は細菌の処理などの役割を終えると、自らも消えてしまいますが、この時、活性酸素などの毒素を出すのです。活性酸素についてはご説明したとおり、細胞を酸化したり、傷つけて老化やがんを促進する物質です。

『癌再発を防ぐ完全食』より