になくなるまでは無理な腹圧がかかる’」とや圧迫するようなことは避けた方がよく、性生活

上も注意すべきでしょう。骨盤神経叢(膀胱の機能や性機能をつがさどる神経ネットワー

ク)の損傷程度によっては、かなり重篤な障害が出ることもあります。男性の場合には勃起

や射精がスムーズにできなくなることがあり、アメリカでは、女性の場合もオーガズムを得

られにくくなるという報告も兒られます。他の眸中‥と同じく、手術直後の状態が必ずしも最

終的な障害として固定するものではありません。自然回復の可能性もあり、回復の速度や程

度にはかなりの佃人差がありますから、このような肉体的、精神的苦痛を理解し合えるよう

パートナーどうしてともに考えることが大切でしょう。

 

 退院後は、手術後約3ヵ月をめどに手術前の生活に戻れるよう白分でペースを考えます。

仕事に関しては、職糖や労働時間によって再開時期仟法‥-が必要です。デスクワークで、し

かも労働時間を制限できるならば、退院後すぐに復帰する方もいます。食事に関しては胃の

手術の場合とは異なり、退院時には、ほぼなにを食べてもさしつかえありません。運動につ

いては徐々に激しいものに戻していくべきで、手術後約3ヵ月日くらいには、ゴルフでも水

泳でもジョギングでも元通りにやれるはずです。

 何時間働くと体につらいか、どんなものを食べるとおなかの調子が崩れるか、自分でなけ

ればわかりません。自分をいたわり、しかし過保護にはならないよう計画していくことが大

事です。やる前にどうなるかというアドバイスも必要ですが、人によって盜一理”の範囲は

ずい分ちがうものです。結局は、やってみたらこうだったというお話があなたの主治医にと

っても一番必要とする情報であり、今度あなたはどうするべきかという点についてのアドバ

イスがもっと現実的なものになります。

 通院の頻度はがんの進行度や手術後の治療によってがなりの差があります。手術後に抗が

ん剤を口から飮む場合、服用する抗がん剤にも様々ありますが、どの薬もすべて2週間以上

の処方が法律卜認められていません。このため最低1ヵ月に2回は病院への通院が必要にな

ります。通院中にする検査は再発や転移がないことを確認し、新たながんができていたりし

ないかを調べるために行います。採血による顕揚マーカー検査(第6章中「腫瘤マーカーの

見方について教えてください」参照)、CT検査、超音波検査(エコー)、胸部レントゲン検

査、大腸レントゲン検査(注腸造影)、人腸内視鏡検査などがあり、採血は1~3ヵ月ごと、

その他はI~!2ヵ月ごとにするのが一般的です。

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 ポリしフとは、周囲に比べて盛り上がったように見える顋搗という意味です。よくできる

臓器に声帯・胃・mのう・大腸があげられます。できる臓器によって、その性質や糖類はか

なり異なり、胃のポリープがほとんどがん化しないのに対して、人腸のポリ匸フはおそらく

10~20%ががん化していくものと考えられています。。ポリしフ”とはあくまでも兒た日の

かっこうを表している言葉ですから、当然量性のこともあれば、悪性のこともあります。平

らなお皿をふせたような形や、きのこのような形のものがあります。

 大腸の場合、がんに変化していく可能性が高く、原則として見つがったものは切除すべき

です。1mで約50%、2mで約90%がもうすでにがんになっています。2mくらいまでなら 

 

 呼吸をする時、空気は鼻や口から体内に入り、さらに喉から気管を通り、次いで気管支に

入ります。気管支は士気管支、葉気管支、区域気管支と順次約20川分岐して肺胞に至り、そ

こで血液と接触して酸素を血液に渡します。での気管支から肺胞に至る部分を肺と呼び、 こ

こに発生するがんのすべてを脯がんと呼びます(前々ベーダの図参照)。

 一般に、がんの特徴は周囲の臓器に浸潤(がん細胞がぶ11 。常組織にしみこんでがん組織に置

き換えてゆくこと)してゆくことと、転移(元のがんから離れたところでがん細胞が増殖す

ること)をすることです。このようながんの中でも肺がんの特徴的な性格は、いろいろな臓

器に遠隔転移(がん細胞が血液に入り、離れた臓器に転移を形成すること)をおこしやすい

ことです。肺がんが遠隔転移をおこしやすい臓器は脳、骨、肝臓などが代表的です。