内分泌性高血圧による病気


高血圧にはいろ~んな種類があるのですが、今回は内分泌性高血圧とそれが引き起こす病気を取り上げようと思います。いろいろあって覚えるの大変ですよ。ホルモンは神経とともに、生命の営みに非常に重要な働きをしています。脳下垂体、甲状腺副甲状腺、副腎、睾丸や卵巣などの内分泌腺でそれぞれのホルモンがつくられ、血液中に放出されて、固有の働きを発揮して生体の重要な働きを調節しています。この中のある種のホルモンが異常に生産されるために起こる高血圧があります。これを内分泌性高血圧といい、内分泌腺の腫瘍や過形成で起こります。
生産されるホルモンの種類によっては、いろいろの症状を同時に起こすことが少なくありませんが、ときには症状が目立たないために、高血圧だけが目立つこともあります。このような場合は本態性高血圧と見間違えることもあります。
内分泌性高血圧は、主要を外科手術によって摘出したり、ホルモンの生産を抑える治療をすることによって、全壊または軽快されることができるので、診断が極めて大切なわけです。
良く見られるのは、副腎の疾患です。副腎からはいろいろのホルモンが分泌されますが、その一つであるアルドステロんは、ナトリウムを体内に貯留させ、カリウムを排泄させるホルモンです。このアルドステロの過分泌によって起こる高血圧があり、原発性アルドステロ症といいます。壮年期に起こりやすく、女性のほうで頻度が高いです。高血圧の他に筋力低下や疲れやすい事を訴え、時にはその程度がひどく、歌詞が一過性に麻痺するような事が起こります。また、尿の量が多くなり、特に夜間の排尿回数が増えます。多くは良性の腫瘍による者で、診断がつけばこれを手術によって取り除くと、高血圧もその他の症状も忘れたように治ることが多いです。類似の症状が、副腎皮質ホルモンの合成過程に係わる酵素の障害によっても起こることがあります。また、頻度は低いですが、副腎皮質癌によって似た状態が起こすこともあります。
次に褐色細胞腫というものがあります。これは副腎髄質に発生する腫瘍などから、血管を収縮させるアドレナリンやノルアドレナリンが過剰に分泌されるものです。同様のひどい高血圧、あるいは高血圧発作、頭痛、発汗、動悸、悪心、嘔吐、顔面蒼白、神経過敏、体重減少などが見られることに注意します。これも診断が付けば、手術による腫瘍の摘出を考えます。
そのほかクッシング症候群というものもあります。肥満、披露しやすい、ニキビ、多毛、無月経などの特徴的な症状が高血圧より目立つことが多いですが、高血圧の合併が高率に見られます。副腎皮質からコーチゾールというホルモンが過剰に分泌されて起こります。原因は脳下垂体股は副腎皮質腫瘍によるもので外科治療が行われます。
また、脳下垂体、恒常性、副甲状腺もそれぞれ重要なホルモンを分泌しますが、その異常も血圧に影響を及ぼします。女性では、妊娠中毒症の時に腎臓の障害とともに高血圧の起こることは、よく知られています。
このように、ホルモンの異常が関わる高血圧をみてくると、高血圧の原因の多様性が理解できるでしょう。褐色細胞腫のように、血管収縮性物質が多量に分泌されて起こる高血圧もあれば、電解質代謝ホルモン(アルドステロンなど)や糖質代謝ホルモンの異常分泌によっても高血圧が起こるのです。
これらの内分泌疾患は高血圧が共通に見られますが、それぞれは異なる病気です。このように、腎性高血圧もそうですが、原因疾患がはっきりしている場合の高血圧を、二次性高血圧または症候性高血圧といいます。どうですか、頭に入りました?