ニキビダニ性痤瘡 acne demodecica

 

 毛包性膿疱・ざ瘡様小結節・びまん性潮紆で顔面正中部にみられ,一見にきび様である〔付図28-51.ニキビダニによる.中年に多い.硫黄剤〔クンメルフェルド液〕が有効.

 

04.口囲皮膚炎perioral dermatitis [Mihan-Ayres 1964],酒猷様皮膚炎rosacea-

 

 like dermatitis 〔Steigleder 1968〕〔付図28-2〕

 

 口囲,次いで鼻唇溝・オトガイ〔まれに頬・前額・眉間〕に直径1~2mmの紅色丘疹[ときに膿疱・漿液性丘疹]が多発,びまん性潮紅と落屑を伴う.ときに痰痒.成年婦人に多い.組織学的に毛包炎・毛包周囲炎.ステロイド剤〔とくにフッソ配合〕の長期外用が主な発症因子で,ニキビダニもしばしば見出される.医師のゴッドロールのないステロイド剤外川の副作用としての代表的なものの一つであり〔医原性皮膚疾患〕,治療にはステロイド外川を中止するため,症状のリバウンドが激しく,これを乗り切る治療上の技術と患者の忍耐とを必要とする.

 

5。その他の座瘡様発疹

 

 1)人工性座瘡

 

 職業性に石油・油脂〔グリース・機械油、 ファーストレストランの食用油やグリースによるいわゆるMcDonald's acne〕・塩素〔PCB : polychlorobiphenyl (油症),電気絶縁物質〕に接するとき,化粧品〔粗悪なワセリンなど〕,薬剤〔ヨウ素臭素(鎮

 

Side Memo

 

  「いわゆる毛包虫」はDemodex folliculorum 〔ニキビダニ〕とD. brcvisの2種あり,共に脂腺を有する毛包に寄生している. hos卜parasite-relationshipの破綻により病原性を示す.ニキビダニ症を安藤〔1916〕は座瘡型,酒皴型,合併型,湿疹型,疥癬型,眼瞼炎型,水疱型,膿疱疹型に分けた.なお「毛包虫」は正式の学名ではなく,用いない方がよい.静鎮痙剤・抗コリン剤)・INAH・ステロイド剤〕〔asg^-p. 193,薬疹〕によるもの.