食べすぎもがんの原因に

 

 残念なことに、いまの日本の野菜の栄養成分を見ると、終戦直後の野菜の三分の一ぐらいしか力がありません。それだけミネラルやビタミンなどの含有量が少ないのです。これからは、契約農家で、有機栽培で作った野菜の供給をもっと増やしていくべきだと思います。

 

 「毒物を体に入れない」という意味において、がんの患者さんは水道水を飲んではいけません。ミネラルの豊富な自然水を飲んでください。

 

 次に、食事の量ですが、私の恩師である中山恆明先生は、私たち若い医師たちに、「食べるな、やせろ。医者が病気になったら患者を助けられない」というのが口癖でした。メタボリックーシンドロームの害は言うまでもありませんが、摂取したカロリーはその日のうちに使い切るのが原則です。動物実験では、自由に食べている動物より、三割ぐらい摂取カロリーを制限した動物のほうが三~六割も長生きで、がんも少ないことがわかっています。

 

 私の場含は、がんではないので徹底した食事療法を行っているわけではありませんが、一日の摂取量はだいたい一六〇〇~一八〇〇カロリーです。これでも少ないとは感じません。一日中動き回っているので、毎日の活動の中でちょうど使い切るぐらいの量だと思っています。

 

 食事療法を行っていると、たいてい、肥満の人はまず肥満が解消されて、三~四キロ体重が減り、それからがんが消えていきます。食事療法を実践してカロリー過剰になることはないと思いますが、食べすぎもがんの原因になることを頭に入れておいてください。

『癌再発を防ぐ完全食』より