強弱アクセントとリズム

 

強勢がある間隔で繰り返されることによって作られるリズムで、このリズムをstress timing(強勢リズム)と呼ぶのだが、これに対して、日本語は二日=匸ンラブルが均質的・等間隔的に発声される、音節リズムの発声である。

 

 せっかく発音練習をして正確な発音ができるようになっても、肝心の朗読の時に日本語的な音節リズムで読んだのでは英語的発声ではなくなってしまう。stress timingのリズムで読むようにしなければならないのだ。これは実はなかなかむずかしいことなのであるが、今ではオーディオ機材を活用すればいくらでも練習できる。

 

 この英語独特のリズムが、ボサノバのリズムドピッタリと一致することを発見した玉川大学の中田憲三教授は、ボサノバのリズムに乗った英語の発声トレーニングを行う方法を間発した。『英語の頭に変わる本』(中経出版)で、そのノウハウを紹介している。単語の発音については、発音要素の数も少ないので正確な発音を覚え込むことはそれほどむずかしくはない。しかし、発声リズムは体に深くしみ込んでいるので、頭ではわかってもなかなか実際に英語的なstress timingのリズムで読み、話すのはむずかしい。言ってみれば、これは右脳が関係することであり、左脳がつかさどる理屈ではコントロールできないからである。中田式は音楽のリズムによって、右脳へ自然に覚え込ませようという、きわめて優れたノウハウではないかと思われる。

 

 中学の教育でこれをどう応用できるか検討の余地は残るものの、まずは先生自らがこれを試してみたらいかがだろうか? 私自身を含めて、正確な発音、そしてstress timingのリズムを身につけている口本人は非常に少ない。英語の先生もその例外ではないと思うからであ・・

 

文科省が英語を壊す』茂木弘道著より