異汗症dysidrosis

 〔同義語〕汗疱pompholyx

 

 〔症状〕手掌足底,特に手足側縁,指趾側縁に多発する帽針頭大~豌豆大の小水疱ないし水疱で,水様透明の内容を有する.小さいものは隆起せず,皮膚に透明小点としてみられる.痰痒の有無は種々.穿刺ずればやや粘稠な水を出す.急速に発現,あるいは数日で徐々に発生.掌蹠多汗症を合併することもある.水疱形成をほとんど認めず,襟飾り状(halskrausenartig)に環状の落屑を生ずる軽症もある〔乾性落屑性異汗症(dysidrosislamellosa sicca)≒kerato]ysis eχfoliativaWende (1919)〕.湿疹化や〔異汗性湿疹(ec-zema dysidrosiforme)〕,細菌・真菌の二次感染もある.

 

 〔病因〕汗貯留現象と解する他,表皮内水疱形成〔海綿状態〕が一義的で,汗腺とは無関係で湿疹の一一種とみなす考えもあり

 

異汗症〔汗疱〕

 

[Kutzner 1986],またアトピー素因・白癬疹・接触皮膚炎・ニッケル・薬疹などとの関係も論じられている.季節〔温暖〕・年齢〔思春期上り40歳〕・印車神経失調・多汗症なども背景にある.

 

 〔鑑別診断〕①汗疱状白癬〔夏季増悪・朧岸・真菌証明〕,②1d疹〔イ也に原発巣・急激な発生〕,③掌蹠膿疱症〔膿疱が主体・g限局性の潮紅と固い鱗屑〕.

 

 〔治療〕①5%サリチル酸ワセリン,尿素軟膏,②制汗剤〔5%アルミニウム・アセテート液,70~250mg//過マンガン酸カリ液〕,③ステロイド軟膏〔特に湿疹化したとき] ,精神安定剤