脳の子作り拒否宣言

 

 最近では、健康志向のためにダイエットをする人が多くなっています。平成一七年の厚生労働省の国民健康調査でも、二〇歳代の女性の二〇パーセント以上が痩せだと報告されています。一方、三〇~四〇歳代の男性では、肥満が間題だといいますが、痩せている男性も増えています。

 

 痩せることで、子どもが作れない、生殖行動がとれないということは、個人の幸せのために、子孫を作るという本能を抑えているともいえるのです。

 

 「いまのような社会に生まれてくるのはかわいそうだから生まない」とか、「育児や教育にお金がかかるから生めない」とか、あるいは「女性が働きながら子育てをする施設が十分でないから、子どもはこれ以上作らない」などといいます。

 

 しかし本当でしょうか。性は本能的な行為です。私たちが本当に異性を愛し、結ばれたいと望むときには、盲目的に行動します。それは子孫を残すという、種にとっての重要な行動

です。

 

 このように考えると、現在の少子化間題の最大の原因は、人々が食べなくなり、生殖に必要なホルモンを作ることができず、受精、妊娠、出産、育児に必要な体力をもたなくなったために、脳が「子どもを作る準備ができていない」と判断している、ということかもしれません。

『脳の栄養失調』高田明和著より