指圧 - 思った以上の指圧の効果

 

 疲れたらサウナにマッサージ、凝っ左眉には指圧がいちばん一-サラリーマンをはじめ、今や若い女性にも人気の高い指圧やマッサージ。筋肉を揉みほぐし血行をよくすれば、血もサラサラ流れる効果がある。

 

 ところで、指圧とマッサージでは、どう違うのだろうか?

 

 指圧は日本で、マッサージはヨーロッパで生まれ、発達した経緯がある。指圧は、体の中心から末端に向かって、遠心性の刺激を与える。これとは逆に、体の末端から中心へと求心性の刺激を加えるのがマッサージだ。また、指圧は「押す」、マッサージは直接皮膚を「さする」という刺激の方法に違いがある。

 

 では、指圧の血流改善効果をみてみよう。七人(男性四人、女性三人)の人々に、全身指圧を四〇分受けてもらい、その後三〇分たってから血液の流れを調べた。

 

 男性1(五十五歳) 施術前五三・二秒/施術後四四・七秒

 男性2(三十八歳) 施術前五八・七秒/施術後五一・〇秒

 男性3(六十八歳) 施術前四七・七秒/施術後四三・六秒

 男性4(七十五歳) 施術前四一・八秒/施術後四六・三秒

 女性1(二十四歳) 施術前四六・一秒/施術後三〇分五三・五秒

                    施術後一時間四三・九秒

 女性2(七十覬)  施術前三七・〇秒/施術後三二・〇秒

 女性3(四十二歳) 施術前三五・〇秒/施術後三七・〇秒

 

 この結果をみると、七人中四人で血液の流れがよくなっていた。指圧に血流改善効果があるといえるだろう。女性一人だけは、指圧後}時間にも測定し、このときは、施術前よりも流れはよくなっている。この女性の血液の状態は、施術前には白血球が粘着していたが、指圧をしたあと一時間後にはそれらが離れ、血液がスムーズに流れ出したことがわかる。指圧直後は押された刺激に上り、必ずしもよくなるとはいえないが、その効果は、一時間くらいたつとあらわれる人もいる、ということだ。

 

 同じ押す技法でも、「押してはなす」を繰り返すのがあんまだが、指圧は持続的に力を加えていくことに特徴がある。家庭で指圧を行う場合は、押す場所や症状に応じて、効果的な方法を選ぶといいだろう。