日本の医薬品市場はデカい

全ての企業が海外市場で勝ち組に入れる保証はありません。逆に国内市場に重点を置き直して生き残るという選択肢はあります。
もちろん国内市場は医療費抑制や薬価制度の影響を受けるとはいえ、日本の医療用医薬品市場の規模は7兆円規模で、単独国としては米国に次いで世界第2位です。しかも人口の都市圏への集中度や、依然として高いブランド医薬品志向を考えれば、この市場で適正な収益を挙げられないほうがおかしいのです。
国内特化型企業の理想像は売上高5000億円、営業利益1000億円以上、研究開発費1000億円、ROEはやはり20%以上です。
地域別売上構成比は基本的に日本国内向けが100%ですが、自社開発品導出による製品やバルクの輸出、ロイヤルティー収入が加わればなお良いでしょう。国内で5000億円規模の売上げを維持すれば、1000億円程度は研究開発費へ回すことが可能になります。MRは販売前の効率を考えた場合、最大でも1800名程度に抑えたいところです。
日本ではスペシャリティーファーマという概念は定着していませんが、領域・業態特化型の医薬品企業の置き換えてよいでしょう。具体的には点眼剤や漢方薬などです。
OTC(大衆薬)は、セルフメディケーションとして一定の市場規模はありますが、日本固有緒ドリンク剤市場のウエイトがまだ高いです。将来的にOTCが衣料用医薬品の代替機能をどこまで担えるかが焦点となります。
ジェネリックに必要とされるのは集約化です。売上高1000億円規模のジェネリックメーカーを誕生させる事が集約化の第一歩です。いずれにしても、それぞれの領域・業態で売上高1000億円以上、営業利益率20%以上を確保することが必要最低条件となるでしょう。