教室は「一対多」向きのことをやるべきである

 

 教室ではその性格上、一対一よりも一対多の教育が基本とならざるをえない。したがって、基礎訓練としての発音・音読などは教室向きであるが、一対一の会話練習には教室は向いていない。基礎訓練のほかは、文法・読解が教室での教育の中心となるということは当たり前のことであり、これを非難するなどということは、ないものねだりのナンセンスである。アメリカのESLに影響されて、コミュニカティブーアプローチなどというものをやれば、改善されるというものではない。そんなことより基礎訓練を徹底的にやれば、今よりはマシになるだろう。いずれにしても、教室というものの基本的な特性を理解しない英語教育論は、「理論」の名に値しない空論である。 要するに、学校の授業で何もかもできると考えることが幻想なのである。会話ができるようになることを期待するのが間違いなのである。教室は大事な基礎を教えてくれるところである、と割り切って考えるべきなのである。