文法はなぜ学ぶのか?

 

 「文法・読解中心の従来の英語教育」と非難される、悪者の代表にされている文法について、考えてみよう。

 

 文法は、伝統的な英文法が「規範文法」と呼ばれるように、英語はこうあるべきという英語についての規範すなわち法律としての側面を持っている。したがって、こうでなければならない、これは間違い、といううるさい規則であるという捉え方もまんざら間違っているわけではない。そのためにこんな七面倒くさいことをいちいち教えるから、英語嫌いが増え、結局英語力がつかないのだ、という批判が出てくる。そして、実際に話されている英語は、文法からこんなにずれているところがあると指摘して、文法などにはとらわれないで英語を教えるべきである、といった極論も出てくる。

 

文科省が英語を壊す』茂木弘道著より