血行の悪さが凝りの原因

 

 西洋医学では、肩凝りを肩関節周囲炎と呼び、関節自体よりも、その周辺の筋肉や腱、そのほかの組織の変化のために痛みが生じるとしている。一方、東洋医学では肩凝りや腰痛は「癇血」といわれる血の滞り、水毒といわれる水分代謝の不調からくると考えられている。肩凝りも腰痛も、私たちにとってなじみの深い、日常の症状だが、「これ!」といった治療法はない。

 

 痛みの刺激は、運動神紅や交感神経を興奮させ、痛みのある部分の筋肉や血管を収縮させる。その結果、血行が悪くなり、栄養不量をおこす。そうなると、細胞が破壊され、また、痛みの原因となる物質をつくる。肩凝り・腰痛は、こうした悪循環が繰り返されると説明される。

 

 しかし、痛みがあるから血管が収縮して血行が悪くなるのか、血液が流れにくくて血行が悪いから、組織が破壊されて痛みが生ずるのかは、難しい間題だ。私は、血液が流れにくいために血行が悪くなり、血管が収縮して、血行がさらに悪くなる、その結果、凝りや痛みが出てくると考えている。血液の流れにくさがどの程度、血流の低下を招き、酸素不量を招くかは、体の各部分の条件で違ってくる。悪い条性が重なった部分で、血液が流れにくくなったり血流が低下するなど、悪循環が発生するのだと考えたい。

菊池佑二著「血液をサラサラにする生活術」より