なぜ、黒豆の煮汁や煮豆をとったあと、血液の流れがよくなるのか?

 

 黒豆の煮汁や煮豆には、血小板の凝集能を低める働きがあるのではないかと考えられる。血小板の凝集に関係するプロスタグランジンを生成するアラキドン酸の代謝をブロックする物質があるのではないか。そして、その物質は、どうも黒豆の黒い皮にあるように思われる。

 

 納豆にある酵素「ナットウキナーゼ」は、血栓を溶かす効果があるといわれているが、黒豆の場合は、できた血栓を溶かすのではなく、血液を固まりにくくし、ドロドロ化を防ぐ効果があると考えられる。

 

 私に黒豆の効果を教えてくれた丹波の黒豆ドクター野崎院長は、黒豆の効果を次のように考えているという一’-j「血管を拡張するビタミンEと植物性エストロゲン、黄吉見の二倍近くもあるイソフラボンの影響があるのではないか」。

 

 ちなみに植物性エストロゲンとは、野菜や果物の黄色い色素などに由来する物質。フラボノイドの仲間で「イソフラボン」と呼ばれる。女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ていて、弱い女性ホルモン様の作用があると考えられている。

 黒豆の効果の実験後、黒豆煮汁が気に入ったという人が何人もあらわれた。血流を測定た血液流動性測定装置MC’FANは、一目で血液の流れやすさの改善が見てとれる装置だ。黒豆煮汁を飲む前は、白血球や血小板がつまって流れなくなった血液が、飲んだあとに、スイスイと流れるようになると、たいていの人はビックリする。そして、努力の結果が手にとるようにわかる  ことで、やりがいを感じ、それがきっかけで習慣的に黒豆煮汁を飲むうになったという人もいる・

 

   実は、私もその一人なのだ。黒豆煮汁を飲んだら、明らかに自分の血液が流れやすくなったのを目の当たりにして、それから毎日飲むようになったのだ。すでに二年以上、続けている。自覚

  症状として大きな変化はみられない。しかし、ときどき採血して、装置で通過時間を測ると、た  しかによい状態が維持されている。

   黒豆煮汁は、黒豆の素朴な味がしみ出て、なかなかおいしいものだ。煮汁なので、飲めばすば  やく血液に入って即効性を示す。続けることによって、効果の持続も期待できるだろう。私の老  化の進行も、少しはゆるやかになっているのではないかと期待している。

菊池佑二著「血液をサラサラにする生活術」より