海洋深層水  ミネラルが血液の流れをよくする

 

 最近、海洋深圈水入りのビールが売り出された。水道水とは違い、ミネラルをたくさん含んだ水で、うまさも倍増、というのが宣伝文句だ。海洋深層水は市販されているミネラルウォーターよりも値段の面では少し高めだが、よさそうだから飲んでみようという人が出てきている。

 

 O子さん(女性・五十二歳)もその一人。このところ、高血圧や偏頭痛や肩凝りに悩まされ、八年めに入った更年期障害で立ちくらみがひどい。薬を飲んでもだめ、医者にかかってもいっこうによくならない。そこで、「ものはためし」と三ヵ月間、海洋深層水を飲んでみたところ、血圧が下がり(上匸二〇皿恥、下九〇四販)、体の調子がよくなった。いわゆる原因がはっきりしない不定愁訴に、海洋深層水は効果があるように思われた。

 

 体調がよくなるとは、循環がよくなることだ。海洋深層水で血液が流れすすくなっているのではないか。そこで、四十~五十代の三人(女性二人、男性一人)について海洋深層水の血流への影響を調べてみた。二〇〇ミリリットルを飲んで、一時間後に測定した。結果は、次のとおりだ。

 

 女性1(四十代) 飲用前四八・五秒/飲用後一時間四四・八秒

 

 女性2(四十代) 飲用前四八・七秒/飲用後一時間三八・六秒

 

 男性1(五十代) 飲用前四三・五秒/飲用後一時間三七・六秒

 

 三人とも、海洋深層水を飲んだあとは、血液の流れがよくなっていた。血流改善に大いに

期待がもてそうだ。

 

 ところで、海洋深層水と、ほかのミネラルウォーターとは、どこが違うのだろうか?

 

 海洋深層水には現代人に不量しがちなミネラルが多く含まれているが、特にマグネシウム(冷)とカルシウム(G)のバランス(垳=二〇〇ミリグラム/リットル、G=七〇ミリグラム/リットル)と、地球上のさまざまな微量成分を含んでいることに特徴がある。

 

 海洋深層水が血流を改善したのは、マグネシウムの効果だと思われる。メカニズムはよくわからないが、血小板の凝集をおさえたのではないかと考えられる。また、赤血球の変形能も改善されているようにみえる。

菊池佑二著「血液をサラサラにする生活術」より