トロトロ血液は糖尿病の原因に

 

 糖尿病の進行具含は、眼底出血しているかどうかで調べる。腎臓障害や糖尿病性網膜症は糖尿病の合併症としておこる。これらは、赤血球の変形能が下がるからだと考えられている。赤血球の変形能が下がると、細小血管の血管壁が血流から受ける力学的ストレスが大きくなる。それによって一時的な血栓がおき、さらに血管壁がいたみ、続いて出血することが多い。もともと、腎臓や眼の網膜では、酸素の背求量が大きいので、毛細血管の減少の影響が大きい。糖尿病は毛細血管の減少を加速するといってもよいのだ。

 

 では、どのように糖が血液のドロドロを引きおこすのだろうか?

 

 糖尿病になると、過剰な糖がタンパク質にくっついた糖加タンパク質ができる。糖尿病の診断に使われるグリコヘモグロビンもその例だ。血漿タンパク質や膜タンパク質にも糖がくっつく。そうすると、赤血球の膜の外側には血漿タンパク質が、内側にはヘモグロビンがへばりつくようにくっついてくる。たとえば、服を着ていて汗をかくと服がへばりついて非常に動きにくくなるように、赤血球膜が変形しにくくなって、変形能が低下すると考えられる。赤血球変形能の低下の影響は、長期におよんで初めて出てくる。そして、確実に出てくる。だから、血糖値のコントロールが悪いと、例外なしに含併症がおきてくるのだ。

菊池佑二著「血液をサラサラにする生活術」より