ニンニク アスピリンと同じ血栓予防効果

 

 ニンニクと聞いてまず何を思い浮かべるだろう。

 

 疲労回復、ガンの予防、防腐作用、精力剤……などなど。

 

 そして、あの強烈なにおい!・ 「あのにおいこそがニンニク」「あのにおいさえなけれ

ば……」と、ニンニクの賛否を分けるにおいだが、実はそのにおいの成分にこそ、ニンニクに秘められたパワーがあったのだ。

 

 一九五〇年代、インドの研究者が「ニンニクを多く食べている人には、動脈硬化が少ない」との研究結果を発表した。ニンニクは血液の脂質を低下させ、動脈硬化を抑制し、血小板凝集を抑制する、とその効用を指摘したものだった。その後の研究で、ニンニクのにおいを発する成分「アリルスルフィド」が血液の流れに大きな役割を発揮することがわかった。

 

 ニンニクをすりおろしたり細かく刻むと、あのニンニク特有のにおいが発生する。そのにおいのもとになっている物質が、アリシンという揮発性のイオウ化合物だ。アリインという含硫アミノ酸にアリイナーゼという酵素が働いてできる。その物質が、血小板の凝集をおさえているのだ。

 

 ニンニクを食べて、血液の流れがよくなった例をみてみよう。

 

 L子さん(六十一歳)はグルメでイタリア料理が大好物。大りぎみで、最近、疲れやすさを感じていた。総コレステロール値は二三六阿/混、中性脂肪三〇九阿/混と高かった。一方、夫のCさん(六十八歳)は、和食党でやせ型。コレステロール中性脂肪は正常値だ。そこで、二人に血液の流れを測定してもらったところ、L子さんの血液は、血十小板のかたまりができてトロトロ状態だった。白血球もくっつきあっていた。夫のCさんの血液は、毛細血管モデルの出口のほうに血小板が凝集していたが、血小板の凝集塊は多くはみられなかった。

 

 そこで二人に、ニンニクとトウガラシのたっぶり入ったスパゲッティ・ペペロンティーノを一皿ずつ食べてもらった。その後二時間してから、血液の流れを測定した。血液流動性測定装置の流路を映す画像を見て、L子さんはビックリ。食前に流れが滞っていた血液は、同一人物とは思われないほど、よく流れていた。夫のCさんのほうも、食べる前に流路の出口側にできていた血小板の凝集ができなくなっていた。二人とも、血液の流れが改善されていた。たしかに、ニンニクに血流改善効果があったのだづ

菊池佑二著「血液をサラサラにする生活術」より